2005年5月30日(月)16:04

EUは憲法の批准手続きを継続する意向

ブリュッセル/パリ(AFP)

フランスのEU憲法否決の後、EU加盟国の大半は憲法批准の採決を継続するよう主張した。ブリュッセルの欧州委員会の広報官は、一方で否決の理由を理解し現在の状況を正確に分析することが重要だと語った。「批准手続きは他の国で進めねばならない」とEU議長を務めるルクセンブルクのジャンクロード・ユンカー首相は述べた。日曜日の国民投票ではフランス国民の約55パーセントがEU憲法に反対票を投じた。

EU加盟国の大多数は、フランスが否決しても引き続きEU憲法の批准採決を進めるよう求めた。EU憲法は加盟全25ヶ国が批准しなければ発効に至らない。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)はEU憲法の再協議を否定し、EUがこれ以上良い憲法を合意できる可能性はないという確信を表明した。ポーランドのマレク・ベルカ首相も批准手続きを継続するよう主張した。

一方チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領は、今後の他の国での批准を中止するよう求めた。批准手続きを進めるのは「意味がない」。「EUの政治エリートと一般の欧州市民との間には無限の隔たりがある」、と大統領は主張した。

欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は憲法条約の再交渉の可能性を否定した。ソラーナ外交上級代表は、EUは世界の舞台で主要な役割を維持するだろうと強調した。

欧州委員会の副委員長を務めるギュンター・フェアホイゲン企業・産業担当委員はドイツラジオ・文化 Deutschlandradio Kulturで、フランス国民の否決はEUにいかなる危機をもたらすものではない。結局のところフランスはEUを脱退するわけではないのだから、と述べた。

消息筋はフランスの投票結果がオランダの有権者にも影響を与えると予測している。最新の各種世論調査によれば、オランダでも憲法反対派が優勢となっている。

この間フランスのジャック・シラク大統領は内閣改造の準備を行っている。「ここ数日以内に」決定を行うと大統領は表明した。大統領は明朝、更迭が予想されているジャンピエール・ラファラン首相に接見する。ラファラン首相の後任にはドミニク・ドヴィルパン内相が有力視されている。

原題:EU will mit Ratifizierung der Verfassung fortfahren




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